矯正歯科

子どもの矯正

小児矯正は1期治療と2期治療に分けることができ、1期治療は4~5歳の乳歯だけの時期から11歳くらいまでの永久歯と乳歯が混在している時期までの期間です。まだ小さく柔軟なお子様のあごの成長を促進または抑制することによってバランスを整えることが目標です。 2期治療は生えそろった永久歯全体の噛み合わせを整えるための治療です。1期治療ではあごの骨のバランスや大きさを整える骨格矯正で、いわば土台を整えるのを主目的としています。2期治療はすべての永久歯の位置を整えるため本格的矯正装置による治療です。

小児期に矯正治療を行うと顎の成長を助け、顔立ちや発音などに好影響を与えます。また、成人矯正に比べると治療期間が短くて済み、費用の面でも最小限に抑えることができます。

大人になってからの矯正治療

最近では大人の方でも矯正治療を始められる方が増えています。矯正治療の技術が高くなり、歯を抜かないで治療できるケースも増えましたが、早期治療に比べて歯を抜く可能性は高くなります。
しかし、歯茎がしっかりしており歯周病や虫歯に問題がなければ何歳からでも矯正治療は可能です。

目立たない矯正装置

成人になってからの矯正治療の場合、外見上、矯正装置をつけることで矯正に踏み切れない方も多い様です。そのような場合はクリアブラケットと呼ばれる矯正装置を使用し、心理的な負担を軽減して治療ができます。ブラケットが透明な素材で出来ているため、メタルブラケットより目立たず、審美性に優れています。

矯正治療の流れ

治療手順解説
①検査・カウンセリング実際に口の中を観察し、歯並びや嚙み合わせ、顎の関節の状態、虫歯や歯周病の有無などをチェックします、歯茎の中の骨の状態を見るためレントゲン写真撮影
② 事前装着歯の状態に問題がなければそのまま矯正装置を装着していきますが、虫歯や歯周病など問題がある方は事前に治療が必要になってきます。
③ 装備装着装置の装着をおこないます。 装着には、通常30分から1時間程度かかります。また装着中に、虫歯等の違う歯の病気になってしまっては意味が無いので、正しいブラッシング法等の指導も行います。
④ 装備の調整矯正装置の装着期間は一般的に1年から3年といわれています(装置の種類、装着期間は症状によって異なります)。その間の期間、ワイヤーの調整や装置の交換等を定期的におこないます。月一回程度のペースで通院していただきます。また、矯正期間中の虫歯予防のため、口腔内清掃もおこないます。
⑤ 保定装置装着患者様が満足いく状態になりましたら装置(ブラケット)を撤去します。 装置を外してそのままでは、歯はもとの位置に戻ろうとします。安定するまで、保定装置(リテーナー)といわれる取り外し式の装置(場合によっては固定式)を一定期間使用していただきます。 この保定期間が終了すれば、矯正治療は終了です。
治療手順解説
STEP1            初診(所要時間10分〜20分) 矯正治療が必要であれば矯正治療の概要を知ってもらう為のお話
STEP2精密検査(所要時間30分) 歯型・レントゲン・写真をとり一歩踏み込んだ検査する
STEP3診断(所要時間20分〜30分) 治療計画及び費用を説明するお話
STEP4矯正治療開始(所要時間15〜60分) 装置作製の為の準備または装置装着
STEP5歯の移動&定期通院(1〜3ヶ月に一度) 矯正装置を装着すると、成人矯正ではおよそ1〜2ヶ月に1度、小児矯正では1~3カ月に1度のペースで来院していただきます。個人差はありますが、成人矯正でも小児矯正でもトータル2〜3年間ぐらいが標準です。 ただし、小児矯正の場合、顎の成長や歯の生え変わりのスピードにより治療期間が 長くなることがあり、成人矯正の場合、治療期間は患者様の顔の骨格や歯並びの難 易度によって変わる可能性があります。 治療内容にもよりますが、1回の処置はおおよそ15分〜60分程度です。 分からない点があれば、その都度お応えしますので、遠慮なくご相談ください。
STEP6保定期間(3〜6ヶ月に一度) 成人矯正において歯を動かす治療終了後キレイな歯並びの位置をキープするに歯型をとって取り外し可能な保定装置(リテーナー)を作製します。これは歯が昔の歯並びに戻ろうとするからです。保定期間は2年間ぐらいが標準です。

※治療期間は虫歯の状況、本数、治療方法によって治療期間は変わってきます。

※矯正歯科治療は公的健康保険適用外の自費(自由)診療です。

本格矯正治療(永久歯列期)に使用する装置

1. マルチブラケット装置
 ・ 表側(唇側、ラビアル)に装着するタイプ
 ・ 裏側(舌側、リンガル)に装着するタイプ

 

2. 補助装置
 ・ 歯列の拡大(クワドヘリックス、バイヘリックス、急速拡大装置)
 ・ 奥歯の固定(ホールディングアーチ、トランスパラタルアーチ、リンガルアーチ)
 ・ その他(ヘッドギア、フェイシャルマスク)
 ・ 歯科矯正用アンカースクリュー

 

3. 保定装置(リテーナー)
 ・ 床タイプ(ホーレータイプ、ラップアラウンドタイプ)
 ・ ワイヤータイプ(ボンディングリテーナー、フィクスリテーナー)
 ・ マウスピースタイプ(クリアリテーナー)

 

4. その他
 ・ カスタムメイドのマウスピース型矯正装置(商品名:インビザライン)

※※※ マウスピース型矯正装置(インビザライン)における注意点 ※※※
①マウスピース型矯正装置(インビザライン)は医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けていない未承認医薬品です。
②マウスピース型矯正装置(インビザライン)はAlign Technology社の製品であり、invisalign Japan株式会社を介して入手しています。
③国内にもマウスピース型矯正装置として医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けているものは複数存在します。
④マウスピース型矯正装置(インビザライン)は 米国のFDA(米国食品医薬品局)で医療機器として認証を受けています。
⑤完成物が薬機法対象外の装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
*その他にも様々な装置があり、矯正歯科医ごとに使用する装置が異なります。

早期矯正治療(乳歯列期、混合歯列期)に使用する装置

1. 歯列・骨を拡大する装置
 ・ 拡大床装置(取り外し式)
 ・ クワドヘリックス、バイヘリックス、急速拡大装置(固定式)

 

2. 上顎骨の成長を制御する装置
 ・ ヘッドギア

 

3. 下顎骨の成長を制御する装置(既製品もあります)
 ・ フェイシャルマスク
 ・ バイオネーター、FKO
 ・ 咬合斜面版(スライディングプレート)

 

4. かみ合わせを浅くする装置
 ・ 咬合挙上版(バイトプレート)

 

5. 口周りの筋肉から受ける圧を排除する装置
 ・ フレンケル装置
 ・ リップバンパー

 

6. 舌の癖(くせ)を排除する装置
 ・ タングクリブ

 

7. 歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド・プレオルソ)

*その他にも様々な装置があり、矯正歯科医ごとに使用する装置が異なります。

治療開始前に必要な費用

① 初診相談料(大まかな治療方法を説明します) 
   無料


② 検査(レントゲン撮影、お口の歯型をとります)
  ¥16.500(税込)


③ 診断料 (検査結果からの治療方法や費用を説明します)
  ¥22.000(税込)       
*部分的治療、再治療、他院からの継続治療も上記と同様の費用がかかります。

治療開始後に必要な費用

① 第1期治療(乳歯列期〜混合歯列期、小児矯正)
  ¥110.000〜¥385.000 (税込)


② 第2期治療(主に永久歯列期、本格矯正治療、成人矯正)
  ・表側ワイヤー ¥770.000〜¥880.000 (税込)
  ・裏側ワイヤー ¥1.100.000<上のみ>¥1.320.000<上下> (税込)
  ・カスタムメイドのマウスピース型矯正装置(マウスピース矯正、商品名:インビザライン) ¥352.000〜¥847.000 ※検査代、処置料含む
  ・部分矯正  (料金は症例によって異なりますので要相談)

*1回の来院ごとに処置料・経過観察料・保定観察料は5,500円(税込)が必要となります。
*本医院にて混合歯列期治療を経て永久歯列期治療に入る際は、永久歯列期治療の料金と既にお支払い済の料金との差額を請求させていただきます。
*アンカースクリュー必要時には1本につき¥22.000(税込), ホワイトワイヤー希望の際は1本¥3.300(税込)を徴収致します。

*上記料金には、虫歯治療・一般歯科治療や矯正治療の為の便宜抜歯料(矯正抜歯 1歯につき¥11.000(税込)は、含まれません。

*治療費処置料・観察料において、材料費の変動により多少増減する可能性があります。 (但し、患者様の許可なくしては、変更しません。)

*保定装置 (リテーナー、動的治療終了後2年間使用) は、治療費に含まれていますが患者さんの不注意により装置を紛失•破損した場合は、装置再製作のための実費を別途ご負担いただきます。

*患者さんの不注意、非協力による治療の遅延及び動的治療後の再発・後戻りについては、別途治療費をご負担いただくことがありますので、ご了承下さい。

(2023.4現在)

お支払方法

下記のお支払い方法からお選びください。
①一括払い
  受付窓口で現金・クレジットカードでのご入金


②分割払い(金利あり)
  デンタルローンによるご入金

*デンタルローン会社2社(アプラス、EPOS)によって金利が違いますのでご確認ください。
*デンタルローンは途中で解約できませんので、転居やその他の理由で治療が終了しない場合についても最後までお支払いいただくことになりますのでご注意ください。

矯正歯科治療のリスクと限界

風邪薬を飲むこと、大きな外科手術を受けること、どのような治療を受けるにも必ずそこにはリスクが存在します。矯正歯科治療においてもたくさんのメリットがある反面、潜在的なリスクというものが存在します。患者様にはメリットとリスクをご理解いただいたうえで安心して治療に臨んでいただきたく思います。

※必ずしもリスクや副作用が生じるわけではありません。

 

違和感と歯痛

矯正装置を装着後、3~5日程度違和感や歯痛が生じることがあります。通常、時間の経過とともに消失していきます。

 

虫歯・歯周病

歯磨きをせずに装置のまわりにプラーク(歯垢)を残したままにすると虫歯や歯周病になることがあります。適切なブラッシングを日々行うようにしましょう。

 

発音障害

裏側からの治療の場合は活舌が悪くなることがあります。期間には個人差がありますが慣れていきますのでご安心ください。

 

歯肉退縮・ブラックトライアングル

歯周病が進行している場合やブラッシング圧が強いと歯茎が下がった状態になることがあります。また、歯をきれいに並べたときに歯と歯の間の歯肉が詰まっていない状態(ブラックトライアングル)になることがあります。これは歯茎が下がったように見えますが実際は正常な歯並びなので問題ありません。

 

歯根吸収

治療中まれに歯根が短くなることがあります。口腔内が健康な条件下で起こる場合には何の問題もありません。ただし、口腔管理がうまくできずに歯周病を引き起こした際には、歯の寿命に影響することがあります。

 

骨性癒着(アンキローシス)

ごくまれに歯が骨と癒着していることがあります。その際は、専門医で癒着を剥がす処置や治療方針の変更を余儀なくされることがあります。

 

後戻り

きれいに並べた歯は元の位置に戻ろうとする傾向があります。歯の後戻りを防ぐためにリテーナー(保定装置)を使用しますが、リテーナーの使用時間を守っていただけない場合や舌癖などにより後戻りが生じることがあります。

 

 

矯正歯科治療にも様々なリスクが存在しますが、それ以上に得られるメリットは大きなものです。
また、担当歯科医師の知識・経験・技術はもちろんですが、矯正治療の成功には患者様の協力が不可欠です。
当院では医師・患者・スタッフが一丸となり、治療のゴールへ向かっていくよう日々診療にあたっています。

診療科目